AdobeCCをいつまで使い続けるのか

印刷よもやま話

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Adobe CCのメリット

Adobeのソフトがクラウド(といっても、本当の意味でのクラウドじゃなくて、単に認証をクラウドでするというものですが)になって、結構時間が経ちました。「CC」という名を関したAdobe製品は、月額料金を払い続ければ、Adobeの全製品を使え、しかも最新バージョンを常に使えるというメリットがありますが、そのメリットを享受しているユーザーは、果たしてどのくらいいるんでしょうかね。

ヘビーユーザーなら、確かにCreativeCloudはメリットがあると思います。約2年毎にやってくる、メジャーアップグレードの度に、数万円を支払い、最新バージョンに切り替えなくても済みますから。

大多数のユーザーは、Adobe製品のすべてを使うわけじゃない

でも、大多数のユーザーは、Adobeの全製品を使うわけじゃないと思うんです。
大半が、Illustrator、photoshop、InDesign、Acrobat、Dreamweaverといったソフトを使うことになると思います。

しかも、それらのソフトも、使っている機能は限られていると思います。Adobe製品は、バージョンアップの度に機能を付加してきます。もちろん、すごく便利で作業効率の上がる機能もありますが、新機能のすべてを必要としているわけでじゃないんですね。

そうなると、古いバージョンでもそのまま使いたいという人も多いはず。パッケージ販売していれば、1回買うと、バージョンアップしない限り、何年でも1回の購入で使えますが、CCになってからは、Adobeにずっとお金を支払い続けなければなりません。

お金を支払わないとなると、ソフトを使うことができない。いわば、ソフトの賃貸契約です。
これって、なんか理不尽さを感じちゃうんです。
DTP用ソフトが、ほぼ一社独占状態になっているので、仕事上どうしても、IllustratorやPhotoshopは使わないといけない。まして、お客様がCCにアップグレードすると、データの受け渡しの問題上、こちらもCCにせざるを得ない。下位互換が出来ないですから。

Adobeに首根っこ押さえられている状態ですわ。
これって、いつまで続くんでしょうか。Adobeにとっては、不正コピーを防げるし、永続的にお金が入ってくるしで、良いことづくめなんでしょうがね。

ところで、MacのOSXが完全無料化されました。これは、Appleのエコシステムにユーザーを囲い込むための戦略であり、無料化することで最新バージョンのOSをユーザーが使うことになるので、アプリ開発の手間もかからなくなるという事だと思うんですが、素晴らしいことだと思います。

なにも、Adobeソフトを無料にと言うつもりはさらさらないのですが、もっとユーザーにとってメリットのある購入方法って、無いのかな~と思います。

代替ソフトに頑張ってもらいたい

pixelmator

photoshopの代替ソフトとして有名な「Pixelmator」なんかは、数千円で買えちゃいます。
もちろん、Photoshopの方が高機能で、出来ることが多いんですが、そこまでの機能を欲していないユーザーは、Pixelmatorでも充分じゃないかと。

Pixelmatorは、Mac版しか無いし、知名度も高くないのですが、もしWindows版が出てきて、さらに高機能化していくと、価格的にはPhotoshopよりもはるかに安いので、ドカンと広まる可能性もあると思いますよ。

こうした競合ソフトが、どんどん力を付けて、認知度を上げてくれば、DTPソフトも多様性が出てきて、Adobeも殿様商売が出来なくなると思うんですがね。
Pixelmatorを、個人的には応援しています。Adobeに潰さることのないように、頑張って貰いたいと思います。

印刷、DTP、デザイン業界も、そろそろ、Adobe依存体質から脱却することを、考えないといけないのかな~、なんて思ってます。